教 授
広島県出身
皮膚科疾患全般、特に蕁麻疹、アトピー性皮膚炎
人と関わりのある科学研究をすることのできる仕事を希望したこと。直接的には、わが国における心身医学の創設者である故池見酉次郎先生の著書、講演に触れたことが契機となりました。
入局当時の皮膚科学教授、山本昇壯先生との出会いにより入局を決めました。ヒトの体のしくみと病気を克服する働きには、人智を越えたすばらしいものがあると思います。それを観念でなく、万人と共有できる実体として表現するためには、どうしても科学の言葉で語ることが必要です。そのため、医学部を卒業する時、世界最先端の身体医学研究に身を置いてみたいと考えました。山本先生は、そのような私の願いをよく受け止め、広島大学に根を張った上で世界を舞台として活躍する道を進めてくださいました。
広島大学皮膚科の第1の財産は人です。まずは教室スタッフの面々に接してください。皮膚科には誠実な良い人が多く集まります。それは、皮膚科診療が皮膚という誰にでも見える臓器を扱い、内科・外科を含む多くの診療科と深く関わる幅広い疾患を扱いながら、かつ機械や検査データへの依存度が少ないことと関係が少なくないと思います。目で見える異常にごまかしはきかず、検査に現れない痒みや痛みなどの自覚を把握するには、患者さんの訴えを上手に受け止めることが求められます。熱傷、悪性腫瘍はもちろん、アレルギー、薬疹、膠原病、水疱症などでも、一歩対応を誤ると死に直面します。そして皮膚科医は、一人の難治例に対して問診、視診はもちろん、病理組織学、生化学、免疫学などを駆使して診断をつけ、ある時は内科的に、ある時はメスを持って外科的に治療を行う、本当に幅広い対応を行っています。皮膚科医の人格は、このような仕事を通して形作られるのではないかと思います。
皮膚科は、このように広い守備範囲を持ち、他科との境界も多いので、意欲次第で広い領域を扱うことも、逆にごく限られた領域だけを扱うことも可能です。その中で広島大学皮膚科学教室は、伝統的に「強い皮膚科」を目指し、かつその成果を様々な形で発信することを基本姿勢としています。意欲次第で診療の幅は広がり、研究のレベルは限りなく高くすることができます。必要に応じ、また情況に合わせて、誰でも、どこにでも勉強に行くことができる教室を目指しています。
中学、高校では陸上部に所属し、1500m走はいつも5分以内で、得意のハードル走では大会記録も残しました。高校時代は一時クラシックギターも習っていました。しかし、今はごくたまに健康維持のために泳ぐくらいで、なかなか趣味と言えるようなものがないのが辛いところです。しかし常に志は高く、心は豊かであり続けたいので、感性を磨くためにも時々短歌を詠むようにしています。