遺伝性血管性浮腫は皮膚、粘膜が突然に腫れる疾患です。顔、手足などの皮膚に多く、消化管の粘膜が腫れると激しい腹痛を、気道の粘膜が腫れると気道閉塞を伴うこともあります。発作はいつ起こるかわからず、患者さんの生活に大きな影響を及ぼしています。
発作頻度や患者さんの生活への影響を経時的に把握するために、2018年より、大阪大学が行うRUDY JAPAN (https://rudy.hosp.med.osaka-u.ac.jp)の対象疾患の一つに遺伝性血管性浮腫を追加しました。RUDY JAPANは、難病・稀少疾患の患者さんの情報の収集を患者さんが主体となって行い、研究を進めるためのプロジェクトです。さらに、大阪大学では、RUDY JAPAN登録者を対象に、患者さんが自ら入力した健康状態などをもとに、医学研究者および政策担当者との継続的な対話を促進できるような新しいコミュニケーション技術の開発と運用を目的とした研究も進められており、当科も共同研究施設として、患者さんの意向も反映しながら医療政策に反映可能なエビデンスを創出するという新しい医学研究の仕組みを作っていくことを目指しています。